土地売却で使える税金控除の種類は?損失が出たときに役立つ特例と注意点
土地だけを売るときでも、譲渡益や損失に対して有効な特例があるのをご存じでしょうか?
不動産関連の特例は数十万~数千万円規模になる場合があるため、適用要件が細かく設定されているので、どのように判断するべきかわからなくなるケースもあるでしょう。
今回は、土地を売る前に知っておきたい、税金控除と特例の種類にくわえて損失が出たときに使える制度や注意点について解説します。
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土地の売却益がでたときに使える税金控除の特例の種類
土地の売買取引で売却益がでたときに使える税金控除の特例は、おもに3種類あります。
居住用財産の3,000万円特別控除
居住用として住んでいたマイホームを売ると、所有期間を問わず譲渡所得から最大3,000万円の控除が受けられるので、大幅な減税が期待できます。
築年数が古い物件が建っている場合、取り壊しをして更地にした状態でも要件を満たせば対象です。
居住用財産の3,000万円特別控除の適用要件は、マイホームとして使っていた物件もしくは土地と物件を売る・マイホームとして住まなくなって3年経過する年の12月31日までに売る・更地にしたら取り壊しから1年以内に土地譲渡契約を締結するなどがあります。
取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡課税額から最大3,000万円控除されるとなれば、無課税になるケースもあるので適用要件を満たしているかを確認して利用しましょう。
なお、居住用財産の3,000万円特別控除で納税額がゼロになったとしても、特例申請が必要になるので翌年2月16日~3月15日の確定申告は必ずおこなってください。
10年超えの居住用財産を譲渡したときの軽減税率の特例
マイホームとして使っていた物件の所有期間が10年以上であれば、短期譲渡所得(所有期間5年未満)・長期譲渡所得(所有期間5年以上)よりも大幅に減税されます。
短期譲渡所得の税率は39.64%・長期譲渡所得の税率は20.315%に対して、10年超えの居住用財産を譲渡したときの軽減税率は最小14.21%です。
6,000万円以下の物件に対しては14.21%の税率が適用されますが、6,000万円以上の物件に対しては長期譲渡所得と同じ20.315%が適用されます。
所有期間の判断基準は、売却時ではなく売買取引をした年の1月1日時点ですので、気を付けましょう。
居住用財産の3,000万円特別控除との併用ができるため、両方の適用要件を満たしているのであれば、それぞれ申請するようにしてください。
相続空き家の3,000万円の特別控除
相続や遺贈で被相続人が居住用として住んでいたマイホームを取得した場合、相続から3年経過する年の12月31日までに売買取引すれば最大3,000万円の控除が受けられます。
全国で増え続けている空き家問題を解消するための特例になるので、売買取引をするまでの期間に誰かが住んだり第三者に貸し出したりすると、適用されません。
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土地の売却損失がでたときに使える税金控除の特例
不動産の売買取引で売却損益がでたときに使える税金控除の特例は、おもに2種類あります。
それぞれの特徴を解説します。
特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
住宅ローンの残債が残っているマイホームを売買するとき、譲渡価額が住宅ローンの残高を下回ってしまい損失がでた場合は、譲渡損失として別の所得と損益計算ができます。
給与所得や事業所得などが対象で、譲渡した年にくわえて翌年から最大3年間は繰り越しできるので、4年間は所得税の支払いがなくなる可能性があります。
たとえば、年収700万円で5,000万円のマイホームを2,000万円で取引した場合、ローン残高は3,000万円です。
3,000万円が譲渡損失になるため、その結果、年収700万円×4年間=2,800万円と計算され、4年間は所得税が発生しません。
特例を適用させるためには、マイホームの売買取引する前日時点で償還期間10年超えのローン残高がある・譲渡価額が住宅ローン残高を下回っているなどの適用要件を満たす必要があります。
物件に対しては、居住用として住んでいたマイホームの物件もしくは土地+物件を売る・住まなくなってから3年経過する年の12月31日までに売る・売買取引する年の1月1日時点で所有期間が5年経過しているなどの条件があります。
さらに、物件を取り壊している場合は、1年以内に土地譲渡契約を締結・取り壊しから契約締結までの期間に貸し出していないなどの追加要件が含まれるので注意が必要です。
すべての適用要件を満たしているのであれば、源泉徴収税額の還付が受けられます。
マイホーム買い換えの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
今住んでいるマイホームを売り払って新しいマイホームを買うときに、売却価額が購入価額を下回ったときに生じる譲渡損失を別の所得と損益通算できます。
給与所得や事業所得などが対象で、売買取引した年と翌年から最大3年間は繰越できるので、合計4年間は所得税の支払いがなくなる可能性があります。
たとえば、年収700万円で5,000万円のマイホームを2,000万円で取引した場合、譲渡損失は3,000万円です。
年収700万円×4年間=2,800万円となり、4年間は所得税が発生しません。
特例を適用させるためには、住まなくなった日から3年経過する年の12月31日までに売る・売買取引する年の1月1日時点で所有期間5年超えなどの適用要件を満たす必要があります。
さらに、新しく買い替えるマイホームの床面積は50㎡以上・償還期間が10年以上の住宅ローン残高があるなどの要件も含まれるので、事前に確認しましょう。
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土地の売却で税金控除の特例を使う際の注意点
土地を売却したときは、利益がでても損失がでても節税効果の高い特例が利用できる可能性があります。
ここからは、特例を利用するときに気を付けるべき注意点を解説します。
特例を使うなら課税額ゼロでも確定申告が必要
特例のなかには3,000万円などの減税効果が高いものもありますが、特例を使った結果、譲渡所得金額がゼロになったとしても確定申告は必要です。
「納税しないなら確定申告をしなくても良い」と認識している方も多いですが、減税措置や特例を使わなくても譲渡益が発生しなければ申告は不要です。
しかし、減税措置や特例を使っているのであれば、適用後に課税額がゼロになったとしても確定申告をしなければなりません。
売買取引をした翌年2月16日~3月15日の期間中に必要書類をまとめて税務署に申告してください。
申告を怠った場合は特例は適用されず本来の課税額にくわえて追徴課税のペナルティが発生する可能性があるので気を付けましょう。
特例は併用できるものと併用できないものがある
土地を売るときには複数の減税措置や特例が利用できますが、併用できるものと併用できないものがあります。
たとえば、居住用財産の3,000万円特別控除と10年超えの居住用財産を譲渡したときの軽減税率の特例は併用可能です。
しかし、特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例とマイホーム買い換えの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例は併用できません。
減税措置を併用できない組み合わせがある場合、それぞれどれほどの減税効果があるのかをシミュレーションしたうえで、より効果的なほうを利用してください。
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まとめ
土地を売る場合、適用要件を満たせば3,000万円ほどの数千万単位で減税措置が受けられる可能性があります。
所有期間や売買取引の期間など適用要件は、厳しく設定されているのであらかじめ注意が必要です。
特例を受けるときは、課税額問わず確定申告の申請が必要になるうえ、複数の減税措置が併用できるとは限らないので入念に確認しましょう。
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