遺産分割協議とは?相続時のトラブルや対処法についても解説
相続が発生すると、遺産の分け方を決めるために遺産分割協議を行う必要があります。
遺言書の有無によって協議の進め方が異なるため、適切な手続きを踏むことが大切です。
事前にトラブルの原因や解決策を理解しておくことで、スムーズな話し合いが可能になります。
この記事では、遺産分割協議の基本やよくあるトラブル事例、解決策について詳しく解説します。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
遺産分割協議とはなにか
遺産分割協議とは、相続人全員で遺産を具体的に分ける手続きです。
被相続人の遺言書があればその内容が優先されますが、禁じていなければ相続人同士の合意で別の分割方法を取ることもできます。
協議が成立すると、各相続人は決められた内容に従い、相続開始時にさかのぼって財産を取得します。
協議が整わない場合や相続人が多い場合など、時間がかかるほど手続きが複雑になる可能性があるでしょう。
また、2024年4月1日からは不動産の相続登記が義務化され、相続から3年以内の登記が必要となります。
協議は法的な期限こそありませんが、相続税の申告期限である相続開始後10カ月以内に完了することが望ましいです。
こうした協議を円滑に進めるためには、相続人間の状況を正しく把握し、行方不明の相続人や遠方に住む相続人についても連絡手段を確保しておくことが欠かせません。
さらに、相続人の中に判断能力が十分でない人がいる場合には、成年後見人の選任を含む法的手続きが必要となる可能性があるため、早めに該当者を確認しておくと安心です。
相続と遺産分割協議の関係
相続が発生すると、被相続人の財産は相続人全員の共有状態になります。
この共有を解消し、具体的に誰がどの財産を取得するかを決めるのが遺産分割協議です。
相続人に未成年者がいる場合は代理人を立てる必要があります。
協議の結果は遺産分割協議書としてまとめ、各種相続手続きを進めます。
なお、協議を行う際は、誰が相続人に該当するかを戸籍謄本などで正確に確認することが重要です。
相続放棄の手続きを取った人や数次相続が生じているケースでは相続人の範囲が変わることもあり、協議の前提として十分な調査が必要になります。
遺言書がある場合とない場合の違い
遺言書がある場合は、基本的にその内容に従って分割を行います。
公正証書遺言などに具体的な分割方法が記載されていれば、遺産分割協議を行わなくても手続きを進められます。
一方、遺言書がない場合は、法定相続人全員の合意による協議が必要です。
協議では法定相続分どおりに分割するだけでなく、合意があれば別の割合で分割することもできます。
遺言書があるにもかかわらず記載内容が曖昧な場合や、遺言書の有効性そのものが争われる場合には、改めて話し合いが必要になることもあります。
また、遺言書に書かれていない財産が後から見つかった場合、その財産をどう扱うかも相続人全員で再確認しなければならない点に注意しましょう。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
遺産分割協議におけるトラブルについて
遺産分割協議は、財産の範囲や分割方法、評価方法などで対立が生じやすい手続きです。
相続人同士の思惑や感情的な要素も絡むため、慎重に進める必要があります。
遺産の範囲に関するトラブル
被相続人の財産が明確でないと、どの財産が遺産に含まれるかについて認識の違いが生じます。
名義が相続人のものになっている預金や、生前贈与が特別受益にあたるかなど、判断が分かれる例もあります。
こうした場合は客観的な資料をそろえ、各相続人が納得できる形で話し合うことが重要です。
特に、不動産の登記情報や預貯金の通帳・取引履歴などは争いを防ぐためにも早めに確認を行いましょう。
もし、被相続人の負債や未払いの税金が見つかった場合は、財産だけでなく債務も相続の対象となるため、負債の正確な把握も不可欠です。
分割方法の選択による対立
遺産の分割方法には、現物分割、換価分割、代償分割などがあります。
現物分割は不動産や動産をそのまま分割するため、公平性の面で難しいことがあります。
換価分割では、財産を売却して得た代金を分配するため公平性が高い一方、思い出のある財産を手放すことに抵抗を感じる相続人もいるでしょう。
代償分割は、特定の相続人が財産を取得し、ほかの相続人に金銭などで補償する方法です。
補償額や支払い方法をめぐり意見が対立することもあるため、十分な話し合いが必要です。
また、分割方法をめぐっては相続税の負担にも影響が出る可能性があるため、税理士などの専門家を交えて検討することが望ましいです。
財産の評価方法に関する問題
不動産の評価は、時価や相続税評価額、固定資産税評価額など、採用する方法によって大きく変わります。
評価の時期や不動産の状態によっても金額が変わるため、相続人が納得できる方法を決めることが大切です。
第三者の鑑定を利用する際には費用負担や評価結果への信頼性も争点となる場合があるため、事前に充分話し合う必要があります。
さらに、不動産の立地や将来の利用計画によって、相続後の処分方法や管理費用が変わることがある点にも注意しなければなりません。
評価額が想定より高く算定されることで、相続税や譲渡所得税の計算上の負担が増加する場合もあるため、複数の評価基準を検討することが重要です。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
遺産分割協議におけるトラブルの対処、解決策
意見の対立や感情的な衝突を回避し、円滑に協議を進めるためにはさまざまな方法があります。
相続人同士の話し合いの進め方
まずは全員で被相続人の遺志や財産内容を共有し、希望を出し合うことが大切です。
スムーズに進まない場合は、弁護士や税理士など専門家の助言を得ると、法律や税務の観点から客観的な意見を得やすくなります。
第三者の意見を取り入れることで、感情的な衝突も和らぎます。
また、話し合いの場では、議事録を作成して共通認識を持つことが有効です。
互いの主張や合意点を明文化することで、誤解や記憶違いを減らし、トラブルの再燃を防ぎやすくなります。
調停を利用した解決方法
相続人同士の話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の調停を利用することが考えられます。
調停委員が間に入り、非公開で双方の意見を聞きながら合意形成をサポートするため、プライバシーが保たれつつ対立を調整しやすいです。
費用や時間も裁判に比べると少なく、合意が成立すればトラブルの早期解決につながります。
それでも合意に至らなかった場合は審判手続きに移行し、裁判所が最終的な遺産分割の方法を決定します。
なお、調停では各相続人が意見を出しやすいよう、原則として書面や口頭での主張が公平に扱われます。
調停委員は法律の専門家だけでなく民間から選ばれる委員もおり、柔軟な話し合いが期待できる点が特徴です。
遺言執行者による円滑な手続き
被相続人が遺言書を作成し、遺言執行者を指定している場合は、遺産分割手続きが円滑に進みやすくなります。
遺言執行者は遺言の内容を実現するために財産管理や名義変更などを行い、相続人間の衝突を緩和します。
弁護士や信託銀行担当者など、専門的な知識を持つ第三者が就任すると、法律的に適切な対応が取られやすいです。
遺言執行者を選ぶ際は、報酬や対応可能な業務範囲を事前に明確にし、相続人全員の了解を得ておくとトラブルを防ぎやすくなります。
また、執行者が複数指定されている場合は、役割分担をはっきりさせることで手続きが混乱しないよう配慮する必要があります。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
まとめ
遺産分割協議は、相続財産を公平に分けるうえで欠かせない手続きです。
スムーズに進めるためには、相続財産の範囲や評価方法を早めに確認し、相続人間の話し合いを丁寧に行うことが重要です。
それでも意見がまとまらない場合は、専門家への相談や家庭裁判所での調停、遺言執行者の活用などを検討し、円滑な協議を目指しましょう。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む